さくら
藤子が聞いたら嫉妬するかもしれないな・・・・・そんなことを思いながら志信も次第に眠りにおちていった。
それから、桜子がうなされているときは志信が気付けば添い寝をしてやった。
自分からは決して我儘を言わず、学校から帰ればきちんと宿題をして家のことを手伝う。そんないじらしい桜子のことが、志信も藤子も聡志も可愛くて仕方がなかった。
「志信?」
昔のことを思い出していて、呼ばれたことに気が付かなかった。
「ごめん、何?」
「お前、これからどうする?」
「ああ、明日にでも教授のとこ行って挨拶して今月中には医院を開ける」
「無理せんでもええぞ。別に僕の代で終わっても構わんのやから」
「無理なんかしてへん。いずれは後を継ごうって思ってたし、ちょっと早まっただけや」