さくら
桜子は心配そうに志信の方を振り返りながら朝倉の車に乗り込んだ。
「桜子、心配症やな」
「だって・・・・・先生があんな状態なのにわたしだけ遊びに行くなんて・・・・・」
朝倉の左手が伸びてきて頭をそっと撫でる。
「志信が楽しんで来いって言うてたやろ?桜子が毎日よく頑張ってるご褒美なんやから」
信号待ちで車が止まると、朝倉が桜子の顔を覗きこんだ。
「ご褒美がオレとやったら不満とか?」
「そんなことないよ!」
桜子が慌てて顔の前で手を振る。
180センチを少し切るくらいの身長、いかにもスポーツマンだと主張するようながっしりとした体躯、メタリックのメガネの奥の目はいつも優しく細められて、おそらくモテる部類の男の人だと思っている。