さくら
志信よりほんの少し低い肩。
桜子に合わせてゆっくり目の歩調。
モテないような口調だったのに。
「なんや、桜子。ニヤニヤして」
「ニヤニヤってひどい。朝倉さん、女の子と歩くの慣れてるって思ってたの。足の長さが全然違うのにちゃんとわたしに合わせてくれてはるし」
「35のオッサンやからな、それなりの経験値はあるだろ」
「そおか。朝倉さんて彼女いない歴何年?」
「さあて、何年やろな〜」
朝倉が口角を少し上げてからかうように
軽い調子で言い、桜子の肩を抱いた。
志信とは違うけれど、安心する大きな手。朝倉の恋人はきっと、甘やかされて、大事にされて、幸せだろうなと桜子は思う。
いつか志信のことが吹っ切れたら、朝倉のような人を好きになろう・・・・・