さくら


朝倉に車で連れて来られたのはカジュアルなイタリアンレストラン。きっとわたしが肩肘張らずに食事を楽しめるように。

少しおとした照明にテーブルの上のグラスに入ったキャンドルが揺れる。

周囲にそれとなく目をやると、女性ばかりのグループと、幸せそうな男女が何組か。傍から見るとわたしと朝倉さんもそんな風に見えるんだろうかと桜子がふと考える。

桜子と視線が合うと、朝倉が照れくさそうな表情でフォークを動かして前菜をつついた。

「桜子はさ・・・・・」

朝倉が口を開く。

「イイ子すぎや」

「・・・・・・・・・・?そんなことないと思うけど」

「『折角のデートやのに寝るなんて!いっつも仕事、仕事って構ってくれへんくせに!』くらい言うたらええ」

桜子がキョトンとした後、笑い出す。
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