千年姫の幻想界
───
──
─
シャン、シャラン……
動く度に鳴る鈴。
リーン、リーン……
風と共に鳴る鈴。
コクン、コクン……
不安定に上下する頭……
バシッ!
「うっ」
「華様……居眠りとは、大変良い度胸で御座いますね」
黒いオーラを纏った式が腕を組んで静かに此方を見ている。
「はっ……式」
ビクーっと肩を跳ね上げる。
華は何度も習った、幻想界の歴史を今一度復習している所だった。
ほぼ分かっている内容。
快適な和室。
つい睡魔の誘惑に負けてしまう。
「集中力を高める為にやっている事でもあるのですよ。
それでは儀式の三日、持ちません。
お母様と、推薦した雅姫様のお立場がどうなります」
「はい……」
お母様と姫様、と聞いて背筋が伸びる。
ふざけてはいないのだけれど。
ここは、心地好くて……。
「もうー……。
仕方ありませんね。歴史はもういいです。
休憩にお散歩にでも行きましょう。
森では透水花が咲いたそうですよ」
透水花とは、花弁が透けている夏の花。
橙、黄、白、水色の花が咲く。
「わぁ、もう咲いたのね。
また押し花を作りたいわ」
「良いですね。綺麗に残りますし……
昨年は身に付けている方も沢山居ましたね」
そんな会話をしながら庭へ降りる。
外はまだ初夏にも関わらず、ジリジリと肌を焦がすような暑さだった。
──
─
シャン、シャラン……
動く度に鳴る鈴。
リーン、リーン……
風と共に鳴る鈴。
コクン、コクン……
不安定に上下する頭……
バシッ!
「うっ」
「華様……居眠りとは、大変良い度胸で御座いますね」
黒いオーラを纏った式が腕を組んで静かに此方を見ている。
「はっ……式」
ビクーっと肩を跳ね上げる。
華は何度も習った、幻想界の歴史を今一度復習している所だった。
ほぼ分かっている内容。
快適な和室。
つい睡魔の誘惑に負けてしまう。
「集中力を高める為にやっている事でもあるのですよ。
それでは儀式の三日、持ちません。
お母様と、推薦した雅姫様のお立場がどうなります」
「はい……」
お母様と姫様、と聞いて背筋が伸びる。
ふざけてはいないのだけれど。
ここは、心地好くて……。
「もうー……。
仕方ありませんね。歴史はもういいです。
休憩にお散歩にでも行きましょう。
森では透水花が咲いたそうですよ」
透水花とは、花弁が透けている夏の花。
橙、黄、白、水色の花が咲く。
「わぁ、もう咲いたのね。
また押し花を作りたいわ」
「良いですね。綺麗に残りますし……
昨年は身に付けている方も沢山居ましたね」
そんな会話をしながら庭へ降りる。
外はまだ初夏にも関わらず、ジリジリと肌を焦がすような暑さだった。