こんなお葬式【長篇】
葬儀告別
おばあさんは僕の無言の呟きに反応するかのように、後ろを振り返り、少し頭を下げた。

寺部屋から住職がゆっくりと姿を見せる。今度は僕が住職に頭を下げた。

─それでは只今より、故 武本 卓氏 告別式を開式致します。
御導師様のご入場です。本日御指導いただきますのは、○○宗○○寺ご住職です。

僕の言葉を合図に、音を立てず住職静かに祭壇へ向かう。

おばあさんはそれを目で追いながら、背中へ向かってお辞儀をした。

祭壇の前へ腰を下ろした住職は、次の僕の合図を待つ。

─御導師様、宜しくお願い致します。

その声を聞き終ると同時に、重苦しく口を開いた。


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