リナリアの王女

 ―コンコン―

『エリーゼ様、入っても宜しいでしょうか?』
少し感傷的な気分になっていたところにサラちゃんが来てくれたようだ。

「入っても大丈夫だよ」
私はバルコニーから部屋の中に入りながら、外にいるサラちゃんに声を掛けた。
『失礼致します』
私の許可を得てから部屋へと入ってきたサラちゃん。

「どうかしたの?」
『クラウド様から、エリーゼさんに城内の案内をして欲しいと仰せつかりましたので来たのですが、どうしますか?』

どうやらクラウドには私の考えが分かっていたようで、サラちゃんに先に言ってくれたようだ。
「私もお城の中を見てみたいと思っていたけれど、サラちゃんのお仕事は大丈夫なの・・・?」
『私はエリーゼさんの専属の侍女です。エリーゼさんのご意向を一番に聞くのが仕事です』
ここは素直に甘えた方が良いだろう。
「じゃあ、案内宜しくお願いします」
私の返事を聞いて、サラちゃんは笑顔で頷いてくれた。




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