イジワル婚約者と花嫁契約
「自分も思います。……俺以上に灯里を嫁にしたいと思っている男はこの世にいないと」
「……っ!」
やばい。なにそれ。……そんなこと言われてときめかないはずないじゃない。
必死に熱くなる顔を見られないよう下を向く中、チラッと隣を見ればさすがのお兄ちゃんも口をあんぐりさせている。
「どうぞお気をつけてお帰り下さい」
そんな私達ふたりに勝ち誇ったように丁寧に頭を下げる健太郎さん。
お兄ちゃんは悔しそうに唇を噛みしめながら、「帰るぞ」と呟くと強引に私の腕を引っ張っていく。
部屋を出る前一瞬振り返ると、ばっちりと健太郎さんと目が合い「またな」と言うように、笑顔で手を振っていた。
もし、お兄ちゃんがこの場にいなかったら間違いなく彼に聞いていた。
“俺以上に灯里を嫁にしたいと思っている男”
この言葉は本当ですか?本音ですか?って――。
帰りの車内では、ひたすら健太郎さんに対する文句を言い続けていたお兄ちゃん。
だけどお兄ちゃんは健太郎さんのことを見極めるって言った。
その意味が知りたくて問いかけると、意外な言葉が返ってきたんだ。
「……っ!」
やばい。なにそれ。……そんなこと言われてときめかないはずないじゃない。
必死に熱くなる顔を見られないよう下を向く中、チラッと隣を見ればさすがのお兄ちゃんも口をあんぐりさせている。
「どうぞお気をつけてお帰り下さい」
そんな私達ふたりに勝ち誇ったように丁寧に頭を下げる健太郎さん。
お兄ちゃんは悔しそうに唇を噛みしめながら、「帰るぞ」と呟くと強引に私の腕を引っ張っていく。
部屋を出る前一瞬振り返ると、ばっちりと健太郎さんと目が合い「またな」と言うように、笑顔で手を振っていた。
もし、お兄ちゃんがこの場にいなかったら間違いなく彼に聞いていた。
“俺以上に灯里を嫁にしたいと思っている男”
この言葉は本当ですか?本音ですか?って――。
帰りの車内では、ひたすら健太郎さんに対する文句を言い続けていたお兄ちゃん。
だけどお兄ちゃんは健太郎さんのことを見極めるって言った。
その意味が知りたくて問いかけると、意外な言葉が返ってきたんだ。