イジワル婚約者と花嫁契約
「……は、い」
視線は釘づけになってしまう。
だってなんかいつもの田中さんじゃないんだもの。
この表情にものの言い方。これってなんか“全くしょうがない人です、あの人は”って言っているみたいだし、言葉のところどころに愛情みたいなものを感じてしまうから――。
「……灯里さん、非常に居心地が悪いのですが」
「えっ……あっ!すみません!!」
あまりに長い時間凝視してしまった。
さすがに気付かれてしまい、田中さんは少しだけ顔をしかめたものだから、慌てて視線を落とした。
でもさっきのは田中さんが悪い。
だってあんな表情、今まで見せてくれたことなかったから。
あんな顔見せられちゃったら、誰だって凝視しちゃうに決まっている。
完全に自分が悪いくせに、理由を並べて田中さんのせいにしてしまう。
それでもバツが悪くて必死に田中さんに頼まれた書類整理をしている時、急にポケットに入れておいたスマホが鳴り出した。
しまった。
もう退社できると思ってマナーモードを解除したままだった。
そこでお兄ちゃんに確保されちゃってスマホを鞄にしまうことも出来ず、ここに連れてこられちゃったんだった。
言い訳を並べるものの、残業中に音を鳴らすなんてあり得ない。
視線は釘づけになってしまう。
だってなんかいつもの田中さんじゃないんだもの。
この表情にものの言い方。これってなんか“全くしょうがない人です、あの人は”って言っているみたいだし、言葉のところどころに愛情みたいなものを感じてしまうから――。
「……灯里さん、非常に居心地が悪いのですが」
「えっ……あっ!すみません!!」
あまりに長い時間凝視してしまった。
さすがに気付かれてしまい、田中さんは少しだけ顔をしかめたものだから、慌てて視線を落とした。
でもさっきのは田中さんが悪い。
だってあんな表情、今まで見せてくれたことなかったから。
あんな顔見せられちゃったら、誰だって凝視しちゃうに決まっている。
完全に自分が悪いくせに、理由を並べて田中さんのせいにしてしまう。
それでもバツが悪くて必死に田中さんに頼まれた書類整理をしている時、急にポケットに入れておいたスマホが鳴り出した。
しまった。
もう退社できると思ってマナーモードを解除したままだった。
そこでお兄ちゃんに確保されちゃってスマホを鞄にしまうことも出来ず、ここに連れてこられちゃったんだった。
言い訳を並べるものの、残業中に音を鳴らすなんてあり得ない。