イジワル婚約者と花嫁契約
これからのことを想像しちゃうと恥ずかしいし、ちょっぴり怖いし不安。
だけどそれよりも、もっと健太郎さんと一緒にいたいって気持ちの方が勝っているの。

やってきたのは近くのコインパーキング。
助手席に私を乗せると、すぐに車は発進された。

車内はお互い口を開くことなく、静かに音楽が流れてくるだけ。
車は二十分程である高層マンションの地下駐車場へと入っていく。

そして駐車されエンジンが切られると、すぐに健太郎さんは車から降り、助手席のドアを開け手を差し伸べてくれた。

「あのさ、まだ引き返せるけど、どうする?」

ここまで来てそんなことを聞いてくる。

「灯里が嫌なら全然いいから。……無理はさせたくない」

そしてまたこうやって胸を苦しくさせることを言ってくる。

健太郎さんは分かっていないのかな?
そんなことを言われるたびに、私を好きにさせているってことに。

目を泳がせ困ったように頭を掻く姿さえも好きって思えてしまうの。
なのにここまで来て「いや」なんて言うはずないじゃない。
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