イジワル婚約者と花嫁契約
それを手に部屋へ戻り、テーブルに並べていく。

「どうぞ座って下さい」

「ありがとう」

ソファーに座ったのを確認し、その前に私も腰を下ろした。
早速千和さんは紅茶を一口含むと、大きく息を漏らした。

「……で?一息ついたところで話してもらおうかな?どうしてそんな酷い顔になっているのかを」

「それは……」

いきなり本題を切り出されては、なにも言葉が出てこない。
だけど容赦なく千和さんは話を続けた。

「入院したって聞いて心配させられて、仕事も頑張らされて?やっと退院したと思ったら出社拒否。……お見舞いに行きたかったけど、例の彼の病院だって聞いて悪いと思って行けなかった私に対して、灯里ちゃんはなにも話してくれていないけど、それってどういうことかな?」

笑顔だというのに、明らかに千和さんは怒っているのがヒシヒシと感じられる。

すぐになにか言わなくちゃと分かっているのに、恐怖とそして何から話せばいいのか分からずで、言葉が出てきてくれない。
すると見かねた千和さんは、呆れたように深い溜息を漏らした。
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