イジワル婚約者と花嫁契約
田中さんに笑われてしまったことが恥ずかしくて逃げるように回れ右をし、この場から去っていく。
すると少ししてお兄ちゃんと田中さんの攻防が聞こえてきた。
「まっ、待て田中!やっぱりあんな可愛い灯里をあんな奴に渡すわけにはいかない!」
「なにをいまさら言っているんですか」
「うるさい!とにかく早く灯里を連れ戻――……」
「もう出ます」
ウインドウを閉めたのか聞こえなくなった声に振り返ると、田中さんが運転する車は走り出していて、すぐに見えなくなってしまった。
「もう、お兄ちゃんってば……」
不思議と緊張はしていない。
それはきっとお兄ちゃんのおかげだ。
次第に歩くスピードは速くなり、病院の目の前にある公園を目指す。
まだ来ていないだろうけど、少しでも早く健太郎さんに会いたくて堪らない。
やってきた夜の公園は少しだけ不気味だったけれど、ライトが多くそれほど暗さを感じない。
公園内にはブランコや滑り台、シーソーといった遊具が設置されていた。
そういえば入院中窓を開けるとよく子供のはしゃぐ声が聞こえてきていたことを思い出した。
「あの声はここから聞こえてきていたんだ……」
すると少ししてお兄ちゃんと田中さんの攻防が聞こえてきた。
「まっ、待て田中!やっぱりあんな可愛い灯里をあんな奴に渡すわけにはいかない!」
「なにをいまさら言っているんですか」
「うるさい!とにかく早く灯里を連れ戻――……」
「もう出ます」
ウインドウを閉めたのか聞こえなくなった声に振り返ると、田中さんが運転する車は走り出していて、すぐに見えなくなってしまった。
「もう、お兄ちゃんってば……」
不思議と緊張はしていない。
それはきっとお兄ちゃんのおかげだ。
次第に歩くスピードは速くなり、病院の目の前にある公園を目指す。
まだ来ていないだろうけど、少しでも早く健太郎さんに会いたくて堪らない。
やってきた夜の公園は少しだけ不気味だったけれど、ライトが多くそれほど暗さを感じない。
公園内にはブランコや滑り台、シーソーといった遊具が設置されていた。
そういえば入院中窓を開けるとよく子供のはしゃぐ声が聞こえてきていたことを思い出した。
「あの声はここから聞こえてきていたんだ……」