イジワル婚約者と花嫁契約
「そんなわけ……!あるかもしれないとしても、そんなはっきり言うことないだろ!?少しは俺の気持ちも考えろ!」

「では代表は灯里さんのお気持ちを考えて差し上げたことはあるのですか?せっかく恋愛したい年頃だというのに、兄である代表に邪魔をされては可哀想だと思いますが?」

うっ……!
どうして田中はいつも痛いところばかり突いてくるのだろうか。
そしてそれが誰が聞いても正しいからなにも言い返せなくなる。

すっかり意気消沈してしまった俺は、気が抜けたように背もたれに体重を預けた。

「そりゃ俺だって灯里には幸せな恋愛をしてもらいたいと思っているさ。……だけど世の中いい男で溢れているわけではないだろ?むしろ悪い男ばかりだ。ましてや灯里の歳の頃の男なんてただヤリたい盛りだし」

「そうではない男性だって沢山いらっしゃると思いますよ?」

「だから俺が品定めしてやっているんだよ。……灯里には悲しい思いしてほしくないし」
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