イジワル婚約者と花嫁契約
パンパンに膨れてしまったお腹を抱え外に出ると、辺りはすっかりと日が落ち真っ暗だ。
スマホを取り出し時間を確認すれば、九時を回ろうとしているところだった。

やだ、そんなにいた気がしなかったけれど、長い時間あそこにいたんだな。

美味しいお寿司に話し上手な大将。
ちょっぴり健太郎さんのことが気になりつつも、幸せな時間を過ごせた気がする。

そんなことを考えながら、駐車してあるパーキングに向かって健太郎さんの少し後ろを歩いていると、なぜか急に健太郎さんは立ち止まり振り返った。

「おい、なんで後ろ歩いているんだよ」

「え……なんでって……キャッ!?」

次の瞬間、強引に引かれた腕。
そのまま健太郎さんの隣にピタリと寄り添わされてしまった。

肩と肩が触れ合う。
急に近づいてしまった距離間に、顔を上げられない。

これ無理!近すぎる!!

すぐに離れようとした時。

「あっ、あの……!」

「一緒に歩くときは、隣を歩くこと」

その言葉と共に強く握られた腕。
ふと顔を上げれば、真剣な瞳に私が映り出されていて、思わず息を呑む。
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