初恋パレット。~キミとわたしの恋の色~
これには、思わず先輩もわたしも絶句する。
正式に美術部に戻らない理由が、まさかわたしとは……。
百井くんの判断基準は、ときにわたしの想像を超えすぎていて、もはや理解不能に等しいんだけど。
けれどどうやら、先輩にはわかるものがあったらしい。
「わお。そっか、そっか。なんか、ナツくんらしいね」
「わかってもらえましたか」
「うん。部に戻らない理由が聞けてスッキリした。もしかして私のせいかもって思ったりもしてたんだけど、いかにもナツくんらしい理由で安心したよ」
そんなフランクな会話を終えると、「じゃあ、私はもう戻るね」と、ひらりとスカートの裾を翻し、廊下の向こうにその姿を小さくしていく。
でも、わからないのは、わたしだ。
美術部に戻ってこいと言われていることも知らなかったし、コンクールに出ようと思えばもう出られることも、実結先輩が口にするまで聞かされていなかった。
自分の絵を評価してもらえるせっかくのチャンスなのに、それをわたしのために断るとか……。
「……百井くんっ」
「ああ、うん。ニナの言いたいことは痛いほどわかる。相談もなしに悪かったよ。でもオレには、ニナ以上のものなんてマジでないんだって。頼む、わかってくれよ……」