私の思い~きっかけとタイミング~
そして一瞬目を伏せると、私の方をもう一度向いた。

「今度の休みは何か予定がある?」

私は不思議そうに井上さんを見上げた。

すらりと背が高く、身のこなしは軽い。

イイ男なのは認める。

「特に今週は予定ありません。」

今週だけではない。

彼氏が居ないのだから、そんなに毎週毎週週末の予定が埋まる事はない。

「そう。じゃあデートのお誘いをしたいんだけど。」

意味深に私を見つめる井上さん。

「今度の日曜日、新田さんの家に1時頃に迎えに行くよ。」

「えっ?」

そう言うとさっと身体の向きを変えて、井上さんは社用車に乗り込んだ。

エンジンをかけ、窓を開けるとこちらに手を振る。

「楽しみにしているよ。」

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