Secret Mission
水樹が元の場所に戻ると同時に、辰巳がゴールした。
順位は1位。速いのは当然と言えば当然だ、他の人とは鍛え方が違うのだから。
だが…陸上部の人より速いとは流石に驚きだ。
辰巳のすぐ後ろを陸上部が、その後を拓弥がゴールする。
水樹はスポーツドリンクを2つ手に取り、戻って来た二人に投げ渡した。
右手が聞き手のためコントロールは右手のほうがうまい。
そのため、拓弥には上手く渡すことが出来たのだが、辰巳に投げ渡したスポーツドリンクは辰巳の顔面に向かって放たれた。
「ッぶね…!」
「ああ、悪い。」
反射神経が良かった為、辰巳は掴み取ったが当たってたらと想像すると、鼻が痛くなる。
「辰巳だいじょーぶ?」
そう宗平は言うが、心の中では「当たったほうが面白かったのに…」などと思っているのだろう。
周りに女子が居るから顔に出ることはないが。
「さてと…次はー、800かな?」
「ああ。…運動会って言うよりかは陸上大会という感じがするんだが。」
「あー確かに。って、去年も似たようなこと言ってなかったか?」
「言ってた気がするー。」
翔たち三人組の会話を小耳に挟みながら、宗平は立ち上がった。