Secret Mission



「あれ……なんなんだ?これは…」


そこに熊野が戻ってくる。当然といえば当然だが、驚き戸惑っていた。


「ああ、熊野さん。おかえりなさい。今、うるさい父親を黙らせてたんです。」

「……ああ。」


熊野はその一言で察したのか納得したように頷いた。
そして、綾人に近付くと買ってきたのだろうコーヒーを渡しながら言った。


「だから私はやめろと言ったんだ。お前は本当に水樹の事となると周りが見えなくなるな…」

「……む…。」

「大体お前はいっつもそうだ。会社とのギャップが激しすぎる。だから水樹が反抗期に―――――。」


それから熊野が綾人に説教を延々とし始める。

それを見ていた水樹はため息をつき、その場から立ち去った。

どうでも良くなったという事と、もうこの場に居たくないという理由だが…。


「水樹ぃ!もう少しここに…!」

「綾人!」

と言う声が聞こえてきたが無視である。

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