婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~
なつも当時のことを思い出していた。
「でもね。私だってすっかり騙されちゃったよ。圭司、由香里さんのことを凄く大事にしてたから。圭司が由香里さんに送ったネックレスを見る度に心が痛かった」
「ああ、あのGPSと盗聴器入りのネックレスのことか?」
サラリと言った圭司の言葉になつは目を丸くした。
「えっ? あれってGPSと盗聴器だったの!?」
「そう。昔の知り合いにそういうの仕込むのが得意な奴がいてさ色々教わったんだ。因みに由香里の携帯もメールの送受信が俺に転送されるように細工した」
「す、凄いね。圭司、スパイ映画の主役みたい」
目を輝かせて興奮するなつを見て圭司が笑った。
「そんな格好いい話じゃないよ。ただなつを守ることに必死だっただけで」
「う、うん………ありがとう。圭司は何度も助けに来てくれたもんね」
「あ~そう言えば、なつが由香里と一緒に組長の屋敷に忍び込んだことあったろ? あの時由香里はタクシーの中から田島にメールを打ったんだよ。それを見て田島は組長の屋敷から慌てて帰ったんだ」
「………そっか。そういうことだったんだ」
「あの日、俺はなつにキツいこと言ったよな。なつに由香里を近づけたくなかったからなんだけど、なつの傷ついた顔を見て胸が張り裂けそうになったよ。もうあの頃は俺も限界だった」
圭司は苦しかった胸のうちを吐き出した。
「あの夜も本当は抱くはずじゃなかったんだけどな。泣いてるなつを前にしたら抑えなんてきかなかった。とにかくなつが店に来てからは、想定外のことばかりで……」
「ごめんなさい」
「いや。たくさん泣かせてごめんな」
「圭司…」
悲しげな表情を浮かべる圭司の頰に、なつはチュッと口づけから恥ずかしそうに微笑んだ。
「私なら大丈夫だよ。だからもう……どこにも行かないでね」
一瞬、驚いた表情を見せた圭司。
けれどすぐになつの後頭部を捕まえて、深く唇に口づけた。
「そんなんじゃ全然たんない」
「ちょっと………ダメだよ。周りに人いるし、圭司は病人なんだから」
なつは真っ赤になりながらブルブルと首を振る。