婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~
そして、いよいよ退院の日。
軽い足取りで病室へと向かったなつだったが、ドアの前まで来て入るのを躊躇した。
ドア越しに、とんでもない会話が聞こえてきたからだ。
「こうして瀬崎さんの肌に触れられるのも、これで最後なんですね。退院してもまた会ってもらえますか?」
ギョッとしたなつはドアを少しだけ開けて、その隙間から病室をそっと覗いた。
すると、なつの目に飛び込んできたのは圭司の逞しい胸板と、担当看護師の切なげな顔。
一瞬取り乱しかけたなつだったが、よく見ると担当看護師が圭司の背中の傷を消毒しているところだった。
浮気現場ではないと分かりホッとはしたものの、それでも胸のざわめきは止まらない。
『また会ってもらえますか?』と色っぽく迫る美人看護師に圭司が何と答えるのか?
なつはゴクリと唾を呑み込んだ。
すると、
「もう服着てもいいですか?」
圭司が素っ気なく返した。
呆気なくかわされた看護師は圭司から手を離し、フウーとため息をついた。
「瀬崎さん、最後まで私の誘いに乗ってくれませんでしたね。初めてですよ。こんなにアピールしてたのに、この私が相手にされなかったなんて」
看護師は恨めしそうにを圭司を見た。