婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~
「ああ……。先に言っとけば良かったですね。そんなに胸元ちらつかされても、彼女にしか欲情できないって」
圭司はシャツのボタンをはめながら、淡々とした口調で口にした。
「何よ、バカにして!!」
看護士はムッとした顔をして病室から勢いよく飛び出してきた。
「あ………どうも」
慌てて頭を下げるなつ。
看護師はそんななつをひとにらみしてから、足早に去って行った。
「来てたの? なつ」
圭司がベッドから声をかける。
「あっ、うん…」
ぎこちなく笑うなつに、圭司は目を細めて言った。
「いまの………見てた?」
「あ、うん。ごめん」
「そっか」
「けど、圭司ってやっぱりモテるんだね。看護師さんにまであんなこと言わせちゃって」
「でも、こんなになつを愛してるんだから何の心配もないだろ?」
圭司はそう言って微笑んだ。
「それとさ、なつ。俺はこの後なつの実家に行って、なつとの結婚を認めてもらいに行こうと思ってるから」
決意を口にした圭司になつはあっけらかんとした口調で返した。
「ああ。それならとっくに認めてくれてるよ?」
「はあ?」
圭司は目を丸くする。
「なに?…どういうこと?」
「あ、うん。実は父、あの騒動の責任を取って自分も議員職を辞職したんだけどマスコミが凄くてね。近所迷惑になるからって母と一緒に別荘のある長野に引っ越しちゃったんだけど…」
「それで?」
「あ、うん。長野に旅立つ全日に、私に保証人欄の入った婚約届を渡してきて、『おまえは圭司くんに幸せにしてもらいなさい。今まですまなかった』って』
なつはそう言ってニコリと笑った。