婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~
「いやいやいや、ちょっと待て…。なつは何でそんな大事なことを俺に言わなかった?」
圭司は眉間にしわ寄せ、なつに問いかける。
「えっ? あ……退院したらでいいかなって」
なつの答えに圭司は深くため息をついた。
「いや、ダメだろ……。つうか俺はな、こんな形でなつのお父さんを辞職に追い込んだことも気になってたし、そんな俺に果たしてなつとの結婚を許してくれるだりうかとずっと不安に思ってたんだよ」
「そうなの? でも父は圭司に凄く感謝してたよ。『娘を命がけで守ってくれてありがとう』って」
「だから、それを何故言わない?」
圭司はなつをジロリと睨む。
「ごめんなさい」
シュンとなるなつ。
「はぁ……もういいよ。その代わり落ち着いたら俺を長野に連れてって? ちゃんと挨拶したいから」
圭司は優しく微笑んだ。
「うん。分かった」
なつもすぐに笑顔になった。
「ほんとに……おまえは」
圭司はベッドから立ち上がると、なつの頬に手を触れてそっと顔を近づけた。
と、その瞬間、ガラガラと病室のドアが開けられた。
「なっちゃん、ごめんね~~お待たせ」
陽気に声を上げたのは拓哉だった。
圭司は慌ててなつから離れた。
「何これ。どういうこと?」
拓哉の登場に圭司が再び不機嫌になる。
「あ、えっと…。今日は圭司の家で快気祝いをしようと思って、拓哉さんも誘ってみたの。そしたら、病院まで車で迎えに来てくれるって言うから…」
「はあ? 何で拓哉なんか誘ったんだよ。やっと二人きりになれるのに」
「だって……人数が多い方が盛り上がるし、圭司も喜ぶと思ったから」
「いやいや。拓哉なんかに来て貰っても全っ然、嬉しくないんだけど」
そんな二人の会話を聞いていた拓哉は、思いきり苦笑いを浮かべた。
「ひっどいな、響さん」
「あ……ごめんね。拓哉さん。せっかく迎えにきてくれたのに」
「なっちゃんが謝まることじゃないよ。俺なら慣れてるから大丈夫だよ」
拓哉はポンポンとなつの頭に手を触れて、優しく微笑んだ。