婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~
「別にそんなことはもういいんだけど。それより響が今どこにいるのかあなた知らない?探してるんだけど、もうこの辺りにはいないみたいなのよ」
きっと藁をも掴む思いなのだろう。
彼女は私の腕を力強く掴んだ。
「いえ、知りません」
「そう…。なら用はないわ」
マダムは落胆した顔でそう言うと階段を駆け下りて行った。
「それじゃね、レン。今日は急ぐから、お見送りはここでいいわ」
「分かりました。またお待ちしています」
レンはマダムの背中を見送ると、横にいた私の顔をジッと見つめてきた。
「あ~そうか。思い出しましたよ。あなたは響さんを100万で買おうとした人だ? こっそり話を聞いていたので知ってますよ」
レンはそう言ってニヤリと笑った。
「あ、あれは……違います。お金なんて払ってませんから。響さんは冗談で言ったんです」
「それは失礼。でも当時の響さんは、枕営業あたりまえでしたからね」
ククっと笑うレンに嫌悪感を抱く。
圭司はそんなことしていないと言い返したいところだけど、こんな人に構っている時間が勿体ない。
「では、これで」
私は階段に足をかけた。
すると、
「待って下さいよ。今度は拓哉に入れあげてるみたいですけど……彼もお金で客と寝てますよ。そんな汚れたホストやめて、私にしませんか?」