婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~
「あ……でもな、響。お前が店辞めた後さ、けっこう大変だったんだよ」
支配人が圭司の耳元でコソッと呟いた。
「あ~なつ。ごめん。悪いけど先に席行っててくれる?」
恐らく私に聞かれたくないことなのだろう。
圭司は気まずそうに言うと、ボーイを呼んで私を託した。
仕方なく私は一人で席についた。
いったい何の話なんだろう。
ボンヤリ考えていると頭上から声がした。
「なっちゃん、ありがとう! 来てくれたんだね!」
顔を上げると、拓哉さんが満面の笑みを浮かべて立っていた。
「あ、お誕生日おめでとう。拓哉さん」
私は立ちあがり、バラの花束を差し出した。
「うわ~ありがとね、なっちゃん! マジ嬉しい」
拓哉さんはバラの香りを嗅ぎながら席についた。
「なっちゃん、無理言ってホントごめんね」
「ううん。大丈夫だよ。実はね、今日は圭司も一緒に……」
「あっ!なっちゃん、これ」
拓哉さんが突然声を上げた。
「えっ? なに?」
「なっちゃん。こんな目立つところにキスマークいっぱいつけられてるじゃん」
そうだ。
すっかり忘れていた首筋のキスマーク。
赤くなりながら私は慌てて髪で隠した。
「ったく、あの人、ほんと大人げないよね。いくら何でも独占欲強すぎだろ」
拓哉さんが大きくため息をついた。