婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~
そんな私に気づいた拓哉さんが、熱弁中の圭司を止めた。
「あの、響さん…」
「なんだよ」
「なんか……なっちゃんの様子が」
「え!?」
拓哉さんの言葉に圭司はハッとした顔で私を見た。
「別にお構いなく。そう言う話を妻の前で堂々とする圭司さんにはちょっと腹が立ってますけど、拓哉さんの為に我慢しますから」
私はお酒をゴクゴクと飲みながら、棘のある口調で返した。
「あ………いや、なつ。ごめんっ」
「別に……」
プイッと顔を背け、やさぐれる私。
「いや、ほんとに、ごめんって」
慌てる圭司を見て、拓哉さんがクスッと笑った。
「響さんの弱気な姿、ちょっと面白いっすね」
「誰のせいだと思ってんだよ!」
「えっ……俺のせいですか。響さんが勝手に話を始めたのに」
「おまえが不甲斐ないのが悪いんだろ」
と、二人が言い合いを始める中、向かいのテーブルの女性客がチラチラとこちらを見ていることに気がついた。
「ねえ、拓哉さん。あの人、ずっとこっち見てるよ。チャンスじゃない?」
私が耳打ちすると、拓哉さんがハッとした顔で頷いた。
「なっちゃん、ちょっと協力してもらってもいいかな?」
左隣の拓哉さんがコソッと呟いた。
「うん。いいよ」
二人でそんな会話を交わした後、拓哉さんは私の肩にスッと手を回した。
「は? おまえ、なつに何してんだよ!」
事情を知らない圭司は拓哉さんの手を振り払い、目を剥いて怒り出した。
「いいの。今、せっかく向かいのお客さんが拓哉さんにヤキモチやいてるところなんだから。圭司は黙ってて」
「なつ……」
「すみません、響さん。なっちゃん、お借りします。さっきの実践させて下さい」
拓哉さんが頭を下げた。