太陽に恋をして
ねぇ、ゆづあれ見てよ。
ニモみたいな魚がいるよ。
あの魚、意外と気が強いんだって。



隣にいるのが、唯月なら私はきっとこんな話をするだろう。
唯月はきっとうん、とかへぇとか相づちを打って、私たちはこの話題だけで1時間は話をするだろう。



「この間の返事を…聞かせてもらえるかな?」


柳原さんが私を見ているのが視界のすみで分かる。
だけど、私はお魚をじっと見つめたまま、口を開く。


「ごめんなさい」


柳原さんはかっこよくて優しくて大人でとっても素敵な人だけど。


履き慣れないハイヒールは足が痛くて。

私は柳原さんとじゃ歩けない。

きっと前には進めない。


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