優しい黒魔女
「シェフレラ」

「…はい」

「貴女には一週間この家の出入りを慎んでもらいます」

「………」

「返事は?」

「………………はい」



泣きそうな顔で頷くシェフレラを可哀想に思わなくもなかったが、甘やかしてはいけない。

あと一秒でも遅ければ、男の命は危うかっただろう。

精霊は人間に対して無関心なので、結界を張っただけマシなのだが。

それにしたってマイコの性格を考えればすぐにでも助けに向かう事は分かっていたはずだ。



「反省しなさい」

「…分かりました」



しょんぼりと頭を垂れてシェフレラは姿を消した。
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