ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
『弥生さんはそれだけぶん太さんの事知ってたんすよ…心配性だから』


そうなのだ。
弥生には小さい頃から超能力者のようにぼくの考えている事を見抜かれいた。


ママは若い頃はデタラメだったようだ。和人さんの奥さんと学生の頃は援助交際でガンガン金を巻き上げていたという。
喝上げ、シンナー、とフラフラしてるころあの旦那さんに拾われたのだとか。


そんなとがって生きた人があんなになるんだなぁ…


『弥生ちゃん言ってたよ』


…そうめん


『ぶん太もあんな生き方してるけど気持ちは優しい人間なのよって、ママの披露宴見て、まともにやんねぇと…かなんか考えてるかもよ、だってさ』


弥生になにもかも見透かされいるようだが正直…ママ達を見てから人生観は一発で変わったかもしれない。


野口の携帯がなる。

客らしい、しかも新規の…


野口は急いでそうめんを食べて出掛けていった。


『忙しいんだね…』

『あぁ、忙しいだけであんまり儲かんねえけどな…』


『でも、いいんじゃん…欲かくと良いことないよ』


『欲かいてんのはお前だろぉ、いつまでいんの…?今のとこ』


『もう辞めるよ』


『えっ?辞めんの?』
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