ちょっぴり恋して
アメリカ西海岸は紫外線が猛烈に強かった。

ガンガンに照りつける太陽が

日本にいる時とまったく違うものだと思えるほどだ。

「よう、元哉、変わりないな。」

「荒木も元気そうじゃないか、こっちどお?おまえ、こんな茶髪だったか?」

「こっちにいると髪までこうなっちまうんだ。で、おまえの彼女はどこだ?紹介して。」

元哉さんの友人はここ西海岸にある有名なテニスクラブでコーチをしていた。

会員制で生徒は皆お金持ちの子供たちばかりだった。

ゴルフ場かと思うくらいのだだっ広い敷地内に

テニスコートが数え切れないほど

私に言わせれば使い切れないほどあった。

レストランやラウンジ

ショップやクラブハウスまで

全てにゴウジャスだった。

私は元哉さんの友人は荒木茂という名前だけは聞いていた。

同姓同名だと私は思っていた。

高校の時

二年先輩で同じ名前の人がいたのだ。

余り思い出したくなかった。

その先輩とは付き合っていたからだった。

おまけに私のヴァージンを奪った人でもあった。

今思うと

あの時の先輩は少し強引だった気がした。

やっぱりこれ以上思い出したくないことだと思った。

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