ちょっぴり恋して
「あの、何か?」

「いや、何でもない。」

俺は首を振りながら目をそらせた。

「私いつ同じところをくじいてしまうんです。」

「すでに癖になっているってことだな。」

「もう治らないのかしら?ずっと。」

「いや、そんなことはない。急には無理だが、少しずつ強くさせることはできる。」

「どうやって治すのかしら?」

「骨と筋の回りの肉をきたえればいいんだ。」

「きたえるんですか?」

「そう。だが君の場合、肝心の肉が少ないようだな?」

「無理ですか?」

「・・・・・」

俺が返事をしなかったからか

彼女は俺を見上げて怪訝そうな顔をしていた。

彼女の存在に俺はなぜか喉の奥が熱くなってきた。

自分の欲求を自制できず胸が騒いだ。

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