ちょっぴり恋して
ж 張り裂けるはもっとヤバイ
「これでいいだろう。」

湿布の上から包帯をきつく巻き

強めに固定した。

「あの、ありがとうございます。」

「俺は小野元哉。君は?」

「竹中未由です。」

「ここの生徒じゃないな?」

「はい、事務の堀井さんの知り合いです。」

「毎週見かけるよ。いつもランチタイムに。今日は違うな。」

「はい。私のせいでかおるさんとすれ違いになってしまって。」

「左足でよかったな。車だろ?」

「はい。」

俺は彼女を見つめた。

今すぐどうにかしたい。

このままここでやっちまおうか。

胸が張り裂けそうで

俺の中の何かが急速に高まってきた。

ヤバイと思いながら彼女の目を見つめ続けた。

これはたぶん一目惚れという

かなり厄介なものだと

頭の隅で他人事のように思った。

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