不順な恋の始め方
「ほな、早速。第1問」
「はいっ」
「身長は何センチ?」
「へ?」
どんな質問が来るのだろう、とハラハラドキドキし覚悟も決めていた私に降り注いだ質問というのは〝身長〟で。
ちょっと拍子抜けというか何というか、身体の力が抜けていく感じがした。
でも、こんな細やかな質問をしてくれることはとても嬉しい。それに、こんな質問ならいくつでも答えられそうだ。
「ええっと……160センチ、です」
「お、意外とある」
「な、意外って何ですか!」
「いやあ、160はない思うてたわ」
意外やなあ、と〝意外〟を強調して付け足し笑う譲に私は少しムッとした。
ムッとしたと言っても、それは譲がムカつくとかそういうことではなくて。単なる意地のようなもの。
そして、その〝意地〟のおかげで私はついつい子供のようなことを言ってしまう。
「160.2センチありますからね!ちゃんと160です!」
……なんて、どう考えても26歳の大人が言うことじゃない。