不順な恋の始め方
その後、しばらく停車している車内の中で話をし、私と譲は大きな公園へとやって来た。
「うわぁ……」
「お〜、広いし緑いっぱいやし空気美味しいしええとこや」
「ですね」
〝碧葉(あおば)公園〟と彫られた木製の看板の横を通って、公園の奥へと入っていく。
緑に囲まれた細い道を潜り抜けたその先には、大きな堀池に浮くいくつかのアヒルボートが見える。
「あ、あっこのベンチで食べよか」
「はい!」
私と譲は、その堀池の手前にあるベンチへと向かい、2人並んで腰掛けた。
ベンチに腰掛け、ぼうっとアヒルボートを眺めていると早くも私と譲の間には美味しそうなお弁当が広げられていて。
私は、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「美味しそう……」
「はは、せやろ? どれでも好きなもん食うていいで」
「やったぁ、では早速…」
私は譲に手渡された箸を受け取り「いただきます」と手を合わせた。
そして、その箸は卵焼きへと一直線。