不順な恋の始め方
箸で挟み込んだ卵焼きを、勢いよく口の中へと放り込む。
卵焼きは、私の大好きな甘い卵焼きで。ふわっとした食感で。堪らなく美味しい。
「ん〜〜! おいひいでふ」
「ほうかぁ、そりゃあ良かった」
ほな俺も、と私と同じく卵焼きを取った譲が口へと放り込む。
それから、2人で顔を見合わせて笑った。
そんな私達の姿を、道行く人は微笑みながら見ていて。
きっと、私達は〝恋人同士〟だと認識されているんだろうなと思うと、何だか照れ臭くて。でも、幸せで。
ちゃんと、自信を持って譲の隣に居られることに私は堪らなく幸せを感じている。
でも
そんな幸せも束の間、これから嵐のような出来事が待ち受けているなんてこの時の私は思ってもいなかった─────。