嘘つきなポーカー 2
「出来たよ。」
由佳はそう言って薫のもとにおかゆを持って行ったが、薫からの返事がない。
近付いてよく見てみると、薫は寝息を立てて眠っていた。
由佳はおかゆをテーブルの上に置くと、薫の寝顔をじっと見つめた。
長いまつ毛、白い肌、通った鼻筋、薄い唇…全てが美しくて、由佳はこの人物と自分が両思いだという事実が信じられなかった。
もしかしたら、私の思い上がりなのかもしれない――…。
そう思った。
きっと自分だけが小野寺薫のことが好きなんだ――…。
それでも由佳は、目の前で眠る美しい少年に触れたいと思ってしまう。
「…好き。」
由佳は小さく呟いた。
「小野寺薫…、好きだよ。」
薫は由佳の言葉に気付くことなく静かに眠っている。