嘘つきなポーカー 2
「私ばっかりが好きなのかな。私、小野寺薫のこと好きでいていいのかな…。」
相変わらず、薫からの返事はない。
「小野寺薫は、私のこと本当に好き―――?」
ずっと言いたかった言葉。
由佳の視界が滲んだ。
どうしようもなく寂しくて苦しくて、そしてこんな状況でなければ想いを伝えられない自分が悔しかった。
薫が眠っていない時に、薫の目を見つめながら同じことが言えたら、どんなに楽だろうと由佳は思った。
「…なーんてね。」
由佳は涙を拭うと、悲しげに笑いながらそう呟いた。
その時だった。
由佳はいきなり腕を引かれたかと思うと、いつの間にかベッドの上に仰向けになり、天井を向いていた。
そしてその天井をバックに、薫の顔がある。
一瞬何が起こったか分からなかった。
暫くして、由佳は自分が薫にベッドの上に押し倒された状態であると分かった。