嘘つきなポーカー 2
「おので…ら…かおる…?」
由佳は目を丸くする。
「起きてたの…?」
そしてとても危ういこの体勢に、由佳の鼓動は一気に速くなる。
すると薫は由佳を見下ろしながら呟いた。
「お前…俺が何とも思ってないとでも思ってんの?」
「え…?」
由佳は薫の言っていることがよく分からず、聞き返す。
「何でお前があの日俺じゃなくて和也にチョコを渡したのか、何であの時お前と和也が2人で非常階段に居たのか。俺が気にしてないとでも思ってんの?」
「え…」
「俺、すげームカついてるんだけど。」
「……。」
薫の色っぽく攻撃的な視線に、由佳の鼓動が薫に聞こえてしまいそうなぐらい激しくなる。
「もっかい言って。」
「え…?」
「…俺のことが好きって。」
「……。」
「なぁ。」
「…風邪引いてたんじゃなかったの。」
「話逸らすなよ。」
「……。」
薫は真っ直ぐな瞳で由佳を見つめながらそう言う。