嘘つきなポーカー 2


「寂しかったの!私だけが小野寺薫のこと好きみたいで、虚しくて…」


由佳の目から涙がとめどなく零れた。


「小野寺薫は私のこと本当に好きなのかなとか、私は小野寺薫の隣を歩いてていいのかなとか、色々考えて…」

「……。」

「でもそれが口に出せない自分にも腹が立って悔しくて、皆には呆れられて…」

「……。」

「それなのに小野寺薫はムカついてるとか言うし、もう色々と訳わかんなくて…」

「……。」

「もう、頭の中ごちゃごち……んっ」


由佳の言葉は、薫の唇によって遮られた。

数ヶ月ぶりの、薫とのキス。

久しぶりのキスは、涙の味がした。
薫のキスは、相変わらず優しかった。


薫は唇をゆっくり離すと、由佳の目を見て口を開いた。


「…ごめん。」


そう言った薫の表情は、とても寂しそうに見えた。


「お前のことそんなに傷付けてたなんて知らなかった。そんなつもりじゃなかったのに。」


薫はそう言うと、由佳の涙を指で拭った。


「…俺もどうしたらいいか分かんねぇんだ。本気で好きになったの、お前が初めてだから。」

「…え?」


薫の予想外の言葉に、由佳は驚いたような顔をした。

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