嘘つきなポーカー 2


松本先生はそんな由佳を見て感極まったように呟いた。


「頼もしいよ、由佳ちゃん…」


その時、保健室のドアがガラリと開いた。


由佳がドアのほうに目をやると、そこには驚いたような顔で立つ華代の姿があった。



「あれ、華代どうしたの?熱でもある?」


由佳が不思議そうにそう尋ねると、華代は目を逸らしながら答える。


「あ、えっと…ちょっと松本先生に用事かな。」

「ふーん。私もう行くけど、大丈夫?」

「うん!体調が悪いわけじゃないから、大丈夫…」


明らかにうろたえている様子の華代を不思議に思いながらも、由佳は保健室を後にする。


由佳が保健室から去ろうとした時、背後で松本先生が口を開いた。


「由佳ちゃん!また何かあったら先生のところに来て。頼んだよ! 」


由佳は振り返って松本先生のほうを見ると、ニッコリ笑って親指をつき上げた。


そんな由佳を見て、松本先生は優しく微笑み返した。





< 55 / 93 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop