嘘つきなポーカー 2


そんな薫を見て、由佳の心臓がトクンと音を立てる。

カジュアルな私服に身を包んだ薫は、とてもかっこいい。

薫の私服を見るのは久しぶりで、制服とは違った新鮮さがあり、由佳は少しドキドキした。


「うん…ちょっと早く着いちゃった。」

「そか。待たせてごめんな。」

「ううん、全然大丈夫…。行こ。」


何だか今日の2人の会話はぎこちない。

付き合っていなかった頃は言いたい事は気にせずに何でも口に出来たはずなのに、好きだと気付いてしまうとどうも意識してしまい、上手く話せないものだ。


由佳と薫は電車に乗ると、目的地であるテーマパークに向かった。


その道中でも、通り過ぎる女の人の視線は薫に釘付けだ。

皆薫を見ながらコソコソと耳打ちをしたり、うっとりと見惚れている。


そんな女の人の姿を見る度、由佳は色々と複雑な気持ちになるのだった。


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