嘘つきなポーカー 2
目的地はたくさんの人で溢れていた。
「うお、すげー人。」
薫は入場ゲートに並ぶ行列を見て、そう言った。
薫の言う通り、そこにはものすごい数の人が居た。
ここは全国からたくさんの人が集まる人気の場所だとは聞いていたが、ここまですごいのかと由佳も驚いた。
「ここ、すごく人気のテーマパークみたいだし、今日日曜日だもんね…。人混み嫌いだった?」
「いや、大丈夫。行こうぜ。」
薫はそう言うと、由佳の手を引いた。
由佳の心臓が跳ね上がる。
薫の手は大きくて暖かくて、そして骨ばっていてとても男らしかった。
由佳はたくさんの人からの視線を感じた。
薫は皆の視線を集めてしまうほどにかっこいい。
こんなイケメンが居たら、目立ってしまって当然だろう。
そんな薫と今、手を繋いで歩いているという事実が由佳には信じられなかった。
自分が薫の彼女なんだと思うと、由佳は少し自慢げな気分になった。