王様とうさぎさん
 だが、朴念仁の自分には、今の発言のなにが問題だったのかわからない。

 忍の採点が必要だ、と思った。

 しかし、莉王の夕べの発言を思い出す。

 忍の言いなりなら、忍とデートしているのと変わりないと。

 まあ、確かにそうだ。

 忍の指導の許、動いている自分を莉王が好きになっても、それは忍を好きになったのと変わりない。

「莉王」

「なんですか」
という声が少し冷たい気がする。

「今、何か俺は失言したか?」

「いいえ、別に」

 怒ってるな、というのはさすがにわかる。

「ちょっと行ってもいいか」

「今、着替え中です」

 莉王はアコーディオンカーテンの向こうまで出て来ているようだった。

「俺のなにがまずかったのか、言ってくれないとわからない」

「そんなこと……」

「お前だって、俺が急になにか怒ったら、理由を知りたくないか?」

 まあ、それは、と莉王は素直に認めた。
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