王様とうさぎさん
「いや、そこでそう言われるのも、ちょっと傷つきますが。

 あの、卯崎さん。
 今の私の顔、どう思いますか?」

 どうと訊かれても、まあ……

「綺麗だと思うが」

 そう見たまま言うと、莉王はそこまでの答えは要求していなかったのか。

「あ、ありがとうございます」
と少し照れてみせた。

 だが、すぐに、
「じゃ、さっきの眼鏡の顔はどうですか?」
と訊いてくる。

「……可愛いな」

「卯崎さん〜っ。
 ほんとに私のこと、見てますか〜っ?」
と莉王は疑わしげに訊いてきた。

 なんなんだ。

 可愛いと言ってはいけないのか。

 心のままに話しているのに。

「莉王。
 落ち着け」
と肩を叩いた。

「大丈夫だ。
 人がどう思うが、俺の目には可愛く見える。

 それで、なにか問題があるか」

 すると、それも厭ーっ、と莉王は騒いだ。

 ……本当に、女心は、さっぱりわからない、と允は思った。
< 232 / 508 >

この作品をシェア

pagetop