王様とうさぎさん
 いや、及川は爺さんというほどの年ではないが。

 年をとるのを厭がる人間も多いが、この爺さんはそれを誇っている。

 権力として、振りかざしているな、と思った。

「まあ、ぼちぼち上出来な嫁、中に入れ」

 ありがたき幸せ、というところなのだろうか、と思いながら、少しひんやりとする本堂に入った。

 で、此処は誰の家だ、と思いながら、及川家の嫁が見てみたい、と思った。

 このオヤジのお眼鏡にかなうのは、どんな嫁だろうな、と思ったのだ。
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