王様とうさぎさん



「あらー、二人とも、遅かったじゃないの」

 允の家に帰った莉王は、陽気な由莉子に出迎えられ、びくりとした。

「ちょっと部長に仲人の話をしてたら遅くなって」
と允が笑顔で返す。

 この男……意外とさらっと嘘をつくな。

 まあ、助かったけど、と思いながら、その横顔を眺めていた。

 好きなのかなー。

 どうなのかなー。

 確かに、そんなに厭じゃなかった気はするんだけど。

「莉王、莉王」

 呼ばれて、は? と靴を脱ぎながら、返事をする。

「花嫁衣装、なにか希望はあるのか」

 先に上がっていた允がこららを覗いて、そんなことを訊いてくる。

「いや……」

 希望もなにも、さっき、結婚することが決まったのに。

 っていうか、結婚はもう確定なわけ?
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