王様とうさぎさん
「ええっ」

 物凄いはっきり見えてるんだけどっ、という言葉を莉王は呑み込んだ。

 本人は生きているつもりかもしれないからだ。

 一番端に立っているおじさんは、食堂の人の制服を着てはいるが、働いていないので、偉い人でみんなを監督しているのかと思っていた。

 すると、そのおじさんが、ははーっと笑って言う。

「気づいたー?
 いつ気づくかな、と思ってたんだよねー」

 允が、莉王、こっち、といつまでもそこに立っていては邪魔になるので、端へと引っ張る。

 おじさんが言った。

「この社食で、一番眺めがいいの、あの東の隅の席だよ。

 じゃあ、お幸せに」
と手を挙げる。


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