王様とうさぎさん




 おじさんお薦めの席が空いていたので、そこに座りながら莉王は言った。

「允さんと居ると、なにかこう、新しい発見がいろいろとあるような気がします」
と。

「なにそれ、のろけー?」
と允の同期たちは笑うが、潮は呆れたように言う。

「……あんたの場合、新しい発見じゃなくて、気づいてないことが多いんだって」

 そのとき、トレーを手にした真人が現れた。

「俺も此処、いいですか?」

 なんだか口調が喧嘩越しなんだか、と思っていると、潮とサッカーで一緒の人が居たらしく、

「おお、座れ座れ」
と空いていた潮の横に真人を座らせた。

 真人はその人としばらく話していたが、食事も半ば、結婚式の話になると、こちらを向く。

「月曜に式ってなんだよ、それ。

 誰も呼ばないってこと?」
と允の友人が允に訊いている。

「いや、だから、披露は別にしようかと思って。

 会社の人は会社の人でまた別に」
と説明している。
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