王様とうさぎさん





「なんだか潮が可愛いんですよ」

 帰りの車で莉王はそんな話を始めた。

「彼氏に話す口調とか、すごく。

 見てて、なんだかうらやましくて」
と言うと、允が不思議そうな顔をする。

「なにがうらやましい」
と。

「だって、ラブラブなんですよ。

 そういうの、憧れません?」
と言うと、

「お前は違うのか」
と言い出す。

 いや……どうなんでしょうね。

 流されてってるだけなんで。

 すると、允は、
「俺には、俺と話しているときのお前も可愛く見えるが」
と言い出す。

 この人、堅物のわりには、照れもせず、こういうことを言うよな、と思っていた。

 いや、なにも考えていないのだろうかな。

 そう思ったとき、允はいきなり車を端に避けて止めた。
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