王様とうさぎさん
 忍と城ヶ崎がこちらを見ながら、なにごとか話している。

 絵になるな、私と居るより、と思いながら、眺めていた。

「花嫁さんが、城ヶ崎さんの方がいいって言い出すって聞きましたけど。

 そうやって、言い寄ってこられて、城ヶ崎さんがふらふらーっと行っちゃうことはないんですか?」

「そうだねえ。
 まあ、大丈夫じゃない?」

 忍も頬杖をついて、窓の外を見ながら言う。

「どっちかって言うと、男の方が好きみたいだから」

 見ると、城ヶ崎が允の手を握っている。

 そのまま、ずっと握っている。

「王様、王様が言うところのラガーマンたちを勝手にゲイだと思ったくせに。
 気づかなかったの?」
という忍の言葉も耳に入らない。

「剥がしてっ!
 剥がしてくださいっ、あの人っ」
と立ち上がって叫び出すと、忍と、ちょうど紅茶を運んできたところだった城ヶ崎の母が笑い出した。
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