王様とうさぎさん
 ああ、そうか、と思ったとき、潮が、むんずとブーケを掴んだ。

「女子一人だから、これは私のものよね」
と言うと、何故かエプロン姿の城ヶ崎の母が、いつの間にか出て来ていて、

「私も居ります」
と言った。

 笑顔だ。

 しまいには、爺さんズも、
「うちにも娘が居る」
 だの、

「孫が居る」
 だの言って、騒ぎ出す。

 何故、爺さんまで、参戦する……と思いながらも、莉王は今、下りた階段をまた上がる。

「此処から出来るだけ遠くに投げます。

 取れた人のものです」
と宣言すると、

「ブーケトスって、そんな競技だったっけ?」
と参戦しない忍が言ってきた。

「さっきの子こそ、取りにくればいいのにね」

 忍はもう車のない木立を見ながら、呑気なことを言う。

 まだ下で、潮たちは揉めているが、もういちいち聞いていたら、ややこしいことになる、と莉王は思い切り、腕を後ろに引いて、遠くにブーケを放った。

「行きますよ〜っ!」

「もう投げてんじゃんっ!」
と潮が突っ込む。

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